坂上忍が語る子役論「売れるための秘訣とは?」

坂上忍さんといえば、最近では毒舌タレントとして大人気です。
そんな坂上さんですが、3歳で芸能界に入り天才子役として活躍されていました。
実は現在、芸能生活44年目の大ベテランの俳優さんなのです。

坂上忍さんは、ご自身の芸能活動と平行して、
子役育成のためのプロダクションも運営されていらっしゃいます。

子役出身で活躍し、現在も芸能界で活躍している芸能人が運営するプロダクション。
これだけでもかなり珍しいユニークな存在だと思います。

「芸能界の内側から」しか見えない、たくさんの事情を坂上さんは知っていらっしゃいます。
そんな坂上忍さんが語る「子役論」がとても興味深いものでしたので、
ぜひ紹介さていただきたいと思います。

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●その1●
「芝居のうまさということで言えば、それはもう先天的な部分が
大きいかもしれない。そういう子は、芝居が飛び抜けています。
そして順応性も持ち合わせています。
芦田愛菜ちゃんのようなタイプですね。」

「才能」という言葉はいろんな分野で使われますが、
一番多いのが「芸術」の分野ではないでしょうか?
その芸術の一つが「俳優」にあたると思います。

子役といえど俳優です。
子役にも先天的なもの、つまり才能が必要だと坂上忍さんはおっしゃっています。

例に挙げられる芦田愛菜ちゃんを見れば納得です。
愛奈ちゃんは一般の視聴者だけてはなくて、
共演した大人の俳優からも「天才」と呼ばれているくらいですから。

では、才能がないと子役として成功できないのでしょうか?

●その2●
「でも、そういうタイプじゃないのに、スターになる子役もいます。
例えば『北の国から』の中嶋朋子ちゃんや吉岡秀隆君とかがそうだった。
彼らは、人との出会いにおける”引き”が強かったんです」

『北の国から』は国民的な大人気番組で、私も観ていました。
主役の田中邦衛さんもそうですが、純役の吉岡秀隆さん、
蛍役の中嶋朋子さんも大変な人気者でした。

吉岡秀隆さんと中嶋朋子さんは、子役として活躍されたあと、
現在も俳優として活躍されていらっしゃいます。
本当に素晴らしいことだと思います。

坂上さんがは、子役というのはある程度の技術は持っている必要があるけれど、
出会いの要素も大きいとおっしゃっています。

『北の国から』で言いますと、山田洋次監督との出会いで「演技を意識せずに
そのまま演じればいい」と指導されたことで、吉岡秀隆さんも中嶋朋子さんも
視聴者から共感を得る演技が出来たのではないかと。

私はおそらく『北の国から』を、全部リアルタイムではないですが、
第一回から最終回まで全部観ている思います。

そこで感じたことは、純と蛍が吉岡秀隆さんと中嶋朋子さんじゃなかったら、
『北の国から』は、ここまで成功しなかったのではないかということです。

少し記憶が曖昧で、間違っていたら申し訳ないのですが、
『北の国から』の子役オーディションでの話です。

オーディションでは、子供たちを自由に遊ばせました。
ほとんどの子供は、いわゆる「子供らしい」ことをしていたそうです。

理由としては母親から「子役を勝ち取るために」子供らしいことをする
ように指示されたからだと言われています。

そんな子供たちの中、吉岡秀隆さんは一人だけぽつんと離れた場所で遊んでいたのです。

その姿を見た、山田洋次監督や脚本家の倉本聰さんが
「純役はこの子にしよう」と決めたといいます。

純くんも蛍ちゃんもそうですが、確かに『北の国から』を観ていて、
演技をしているようには全く見えませんでした。

そして純くんと蛍ちゃんは顔が全然似ていませんでした。
普通であれば「こんなに顔が似てないきょうだいなんかありえない」
とう意見がありそうですが、実際はまったくそんな声はありませんでした。

それは純くんと蛍ちゃんがきょうだいであることに違和感がない、
つまり「演技をしていなかったから」なのではないかと思うのです。

山田洋次監督も倉本聰さんも、この「演技をしない演技」を出来る子役
を探していて、やっと見つけたのが吉岡秀隆さんと中嶋朋子さんだった
のではないでしょうか。

『北の国から』での2人の演技はあまりにも自然でした。
その結果「純も蛍も実際に今、北海道で生活しているんじゃないか?」
と思う人まで出てきたようです。

中嶋朋子さんが以前おっしゃていたことですが、東京の街中を歩いていると
「あーら蛍ちゃん。いつ東京に出てきたの?」
と、おばちゃんたちに話しかけられたそうです。

その女性たちは冗談で言ったのではなくて、本当に思っていたのでしょう。
国民的なテレビ番組の凄さを物語るエピソードですね。

少しは話がそれますが、北野武監督の話をさせください。

北野武監督をといえば、普段はビートたけしとしてお笑い界のトップとして
活躍されていますが、そんなたけしさんのもう一つの顔が映画監督です。

たけしさんは海外では映画監督としての方が有名です。
お笑いをやっているたけしさんを知らない人もたくさんいます。

以前あるテレビ番組で、北野武監督の映画の大ファンの海外の方がいて、
その方にお笑いである「ビートたけし」さんの映像を見せたのですが、
そのファンの方は、あの天才映画監督の北野武が日本ではこんなことを
しているのが信じられなくて絶句していました。

たけしさんが映画監督をされていることは、もちろん日本でも知られています。
でも日本ではやっぱり「ビートたけし」としての方が有名です。
日本では「映画監督もやるお笑いの人」といった感じでしょうか。

でも海外では「天才映画監督・北野武」として有名です。

そんな世界から認められてるたけしさんは映画監督として現場で指揮をとるとき、
いったいどんな演技指導をしているのでしょうか?

これは北野映画に出演された俳優さん、豊川悦司さんや大杉漣さんなど
多くの俳優さんがおっしゃていたことです。

北野武監督は俳優さんたちに

「何もしなくて結構です。ただそのままカメラの前に立っていてください」

と指示をするというのです。

もちろん本当に何もしないでいいという意味ではありません。
自然体の演技をしてくださいという意味です。

でもこの言葉を聞いた俳優さんは物凄く悩んだといいます。
「普通の演技」というものが物凄く難しいからです。

これは俳優さんによると思うのですが、
「自分とは遠い役の方が演じやすい」
といいます。

例えば、悪役などは演じやすいそうです。

なぜかといいますと、悪役というのは普段の自分と全く重ならないので
100%役として演じることができるからです。

逆に自分に近い役だと演じにくいといいます。
自然体でいる、演技をない演技というのはベテランの俳優さんにとっても
難しいものなのでしょう。

『北の国から』の話に戻ります。

『北の国から』が国民的テレビ番組にまでなった大きな要因の一つして
子役である純と蛍の存在があります。

全く似ていない純と蛍が、本当のきょうだいのように見えたのは、
二人が演技をしていなかったから、ありのままの自然体だったから。
つまり視聴者が観ていて違和感を感じなかったから
だと思うのです。

「演技をすること」を一度覚えた子役に「演技をしない演技」を
教えるのはとても難しいことです。

なので山田洋次監督や倉本聰さんは「まだ子役になっていない」
吉岡秀隆さんを純に選んだのではないかと思っています。

坂上忍さんは「吉岡秀隆さんと中嶋朋子さんは”引き”が強かった」とおっしゃっています。

もし『北の国から』が「演技が出来る子役」を求めていたとしたら、
おそらく吉岡さんは選ばれていなかったでしょう。

でも監督も脚本家も「演技をしない演技」を求めていた。
だから吉岡さんを選んだ。

出会い、タイミング、運。

そういったものがいくつも重なって『北の国から』の名子役、
吉岡秀隆と中嶋朋子は誕生したのです。

彼ら2人よりも才能のある子役は他にもいた。
でも選ばれたのは、この2人だった。
だから坂上さんは”引き”が強かったと表現されたのだと思っています。

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●その3●
「うちのプロダクションのオーディションで、合格した子の親御さんから、
なぜうちの子が合格出来たのか?と理由を聞かれることがあるのですが、
答えは簡単で『応援したいから』。
もちろん、芝居がキラリと光る子や、将来性を感じさせる子も受かります。
でも、「もう一回会ってみたい」っていう子がいるんです。
つまり、『なんだか分からない枠』っていうのが存在するんです」

「でも、その『何だか分からない枠』ってすごい武器になる。
オーディションをする監督さんやディレクターさんが、どことなく
人を惹きつける子供にピンとくることだってある。
ルックスや芝居力も大事だけど、匂いとか空気だって確かな武器になるから」

私は坂上忍さんのこの言葉を聞いて、秋元康さんのことを思い出しました。
坂上さんのいう『何だか分からない枠』を秋元康さん流に表現すると
『説明できない魅力』になると思います。

秋元康さんは、魅力というのは説明できないもの。
説明できないから魅力なんだとおっしゃっています。

秋元康さんはAKB48のプロデューサーとして有名です。
もちろん秋元さんご自身もオーディションの審査に参加されるのですが、
そんなときにこの『説明できない魅力』を感じる子は合格させるそうです。

有名な話では、前田敦子さん。

前田敦子さんはAKB48のセンターとして大活躍し、
現在では女優としても映画やドラマに多数出演されています。

そんな前田敦子さんのAKB48のオーディションでの話です。

前田さんは最終審査の時、すごく緊張していて表情が固かったそうです。
そんな前田さんなのですが、スタッフからオーディション終了の言葉を聞いたとき、
それまでの緊張から解放されて、ほっとしてニッコリと笑顔になったそうです。

その前田敦子さんの笑顔がとてもとても可愛らしかった

だから秋元康さんは前田敦子さんを合格させたというのです。
他にも理由はあったようですが、この笑顔が決め手だったと聞いています。

アイドルのオーディションですから、歌もダンスも上手な女の子が
合格すると普通は思いますが、それだけではないのですね。

「99%」の歌やダンスや会話のたどたどしさを、前田敦子さんは
「1%」の一瞬の笑顔で全部ひっくり返してしまった
のです。

少なくとも秋元康さんにとっては。

この秋元康さんの感覚を、他の人に説明するのは難しいです。
普通であれば、歌やダンスが上手な女の子を合格させるからです。

これは私の勝手な想像ですが、秋元康さんは前田敦子さんを
坂上忍さん流にいえば『何だか分からない枠』で合格させたのではないでしょうか。

もし、あのとき前田敦子さんが、ニッコリ笑っていなかったら…
もし、あのとき秋元康さんが前田敦子さんの笑顔を見逃していたら……

AKB48の不動のセンター前田敦子、
現在女優として活躍する前田敦子は
存在していなかったかもしれません。

そう考えると、前田敦子さんも、坂上忍さん流にいえば
”引き”が強かったのかもしれませんね。

坂上さんのおっしゃる「匂い」「空気」というのは、
別の言葉で表現すると「オーラ」でしょうか?

私は今まで「オーラ」というものを、人を圧倒する魅力のようなものだと
思っていたのですが、坂上忍さんの話を知って、秋元康さんの話を思い出して
少し認識が変わりました。

オーラというのは「人の心を動かす何か」というものだと思うようになりました。

坂上忍さんのおっしゃる「応援したいから」という言葉に対して、
「なぜ応援したいの?」と理由を訊かれても答えられないでしょう。
説明できないでしょう。

でも坂上さんが応援したいと思ったということは、オーディションを受けたその子供は、
坂上さんの心を動かしたということです。

心を動かしただけではありません。
またその子に会いたいと、思わせたのです。
だから合格できたのですね。

まとめ

坂上忍さんからはじまり、北の国から、北野武監督、秋元康さんと
話がどんどん広がっていってしまいました。

書き始めた当初はこんな展開になるとは、自分でも思っていませんでした。
坂上忍さんの子役論をたんたんと書こうと考えていたのです。
でも、こういった予想外のことも面白いなと感じています。

読みづらい箇所もたくんさあったと思いますが、ご了承いただけるとありがたいです。

坂上忍さんは現在では毒舌タレントとして有名ですが、
その裏側では、子役を育てるために尽力されていらっしゃるのですね。

毒舌を言って嫌われるタレントと、嫌われるどころか逆に好感を持たれるタレントがいます。
坂上さんはもちろん後者だと思います。

毒舌なのに好かれるのはなぜか?

それは坂上さんの言葉の裏側に愛情があるからだと思うのです。

もしかしたら坂上さんのおっしゃる『何だか分からない枠』の正体は、
『愛情を感じた枠』と言えるかもしれません。

愛情を感じると、人はその人に好感を持って、お返しをしたくなります。
そしてその人に、また会いたくなります。

坂上さんがオーディションを受けた子供から愛情を感じるというのは
変な話に聞こえるかもしれません。

でもそれは、両親からの愛情をたっぷり受けた子供が、
オーディションを通して坂上さんに愛情をパスした
のかもしれません。

だから子役オーディションに合格する秘訣、子役として活躍する秘訣は
「両親からたっぷり愛情を受けること」
なのかもしれません。

とはいえ、両親がいなかったり、過酷な環境で育って、
そこから活躍された子役の方もたくさんいらっしゃいます。

なので子役として活躍する秘訣は依然、謎のままです。

でも分からなからこそ、益々その答えを知りたくなってきます。
それは子役という職業が持っている魅力なのかもしれません。

なので、今できることとしては、
周りの人にも、そして自分にもたっぷりの愛情を持って生きていく
ことなのかもしれません。

それが子役に限らず成功する秘訣なのかもしれません。

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