将棋の楽しみ方2.0「渡辺明永世竜王からのアイデア」

私は将棋が大好きです。
生まれ変わったら将棋のプロ棋士になりたいくらい大好きです。

なのですが、実は私は

「将棋をほとんど指しません」

指す(さす)というのは、将棋をするという意味です。
ちなみに囲碁の場合は、打つ(うつ)といいます。
将棋と囲碁では表現の仕方が違うのですね。

私が将棋と出会ったのは中学生の時です。
なぜか分からないのですが、クラスで将棋が流行したのです。

とはいっても教室に将棋盤を持ち込んでいたわけではありません。
紙にボールペンで将棋盤と同じように9×9の線と升を書いて、
その上に鉛筆(シャープペン)で駒を書く。

そして駒を動かしたり取ったりするときは、
駒を消しゴムで消して、鉛筆で書いて、
そういったことを繰り返して将棋を指していました。

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現在はインターネットを使って将棋を指すことも出来ます。
ですが、私はやったことがありません。

私は実際に対戦相手を目の前にして将棋をすることが好きです。
でも、それをやるには一人では不可能です。
どうしても将棋盤の前でやりたいのです。

どうして自分はそんなに生身の人間と対面して
将棋を指すことにこだわっているのだろう?

改めて考えてみると、中学時代の体験が大きいことに気づきました。

それは実際の将棋盤ではなかったけれど、
友達を目の前にあれこれ悩んで楽しく将棋を指すのが楽しかった。
だから将棋をするなら、あの中学時代のような環境を望んでいたのです。

高校では臨時の将棋部に入りました。
臨時というのは、私の高校では週に1度だけ行う部活動のようなものがあったのです。
その中の1つに将棋部があって、すぐに入部することを決めました。

そういうわけで、高校時代は週に1度将棋を指せたのですが、
卒業するとその機会もほとんどなくなってしまいました。

それから現在に至るまでは、新聞の将棋欄や雑誌、
インターネットで将棋の情報を集めて楽しんでいました。

自分は将棋を指さない。
でも将棋は大好きで、プロの将棋棋士の情報や
タイトル戦なども凄く興味がある。

そんな私と同じような将棋ファンはどれくらいいるのだろうかと考えました。

そんなとき、将棋のプロ棋士の中でも屈指の実力者である
渡辺明さんがこんなことをおっしゃっていました。

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「自分は強くない人でもプロの将棋を観て楽しんでほしいと思い、
”無責任に将棋を楽しんでほしい”といったことを著書に書きました。

野球なら「いまの何で振らないだよ」
サッカーなら「何でシュートしないかな」
といった具合に、自分でプレーできなくても様々な競技の
観戦を楽しんでいる人が多いと思います。

将棋も同じように気楽に楽しんでいただけたらと思っています。」

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渡辺明さんのこの言葉を聞いてから、私は将棋を楽しむことが楽になりました。

私は将棋が大好きなので、棋士がプロになる前の奨励会にも興味があります。
プロの将棋棋士になったということは、奨励会の過酷な競争を突破してきたということです。

それを思うと、プロの将棋棋士に対してあれこれと偉そうに思うのさえ、
やってはいけないことだと思っていたのです。

でも、将棋のトップ棋士である渡辺明さんは

「もっと気楽に無責任に楽しんでほしい」

とおっしゃってくれています。

実際に将棋を楽しむ方法はたくさんあります。
特にタイトル戦では数多くあります。

例えば、インターネットを使ってものでは

1.動画中継
2.棋譜中継
3.中継ブログ

などが主なものになります。

1の動画中継では、対局室の様子や、プロ棋士による棋譜の解説。

2の棋譜中継では、現在行われている将棋の棋譜を
リアルタイムで更新してくれます。

3の中継ブログでは、棋譜に加えて、対局者の様子や
昼食や夕食などの将棋以外の情報も知ることができます。

1・2は無料のものもあれば有料のものもあります。
3に関しては、私は無料のものしか見たことがないのですが、
もしかすると有料のものもあるかもしれません。

将棋のタイトル戦というのは持ち時間が長いです。

タイトル戦は1日で終わるものと、2日かけてやるものがあります。
1日制であれば、最短4時間。
2日制であれば、最長9時間。

の持ち時間があります。

持ち時間というのは1人当たりのものです。
将棋は2人でするものですから、2日制であれば

9時間×2人=18時間

も時間をかけて(場合によっては18時間以上かけて)行われるのです。

そうなると、1手進むのに1時間以上かかることもあります。
動画中継はまだ映像がありますが、
棋譜中継では将棋の画面だけしかありません。

それを将棋が好きな人は、ずっと見続けているのです。
将棋に興味がない人から見れば意味が分からないと思いますが、
将棋好きにとっては、これがとても楽しいのです。

例えば以前に日本でロケットが打ち上げられたことがありました。
そして私は観ていないのですが、その様子がインターネットの動画で生中継されたそうです。

生中継といいましても、ロケットの打ち上げにはたくさんの準備があります。
その様子を10時間以上かけて中継していたのです。

その10時間の中で9時間30分は、ほとんど動きがありません。
つまり9時間30分、ほとんど同じ画面が映し出されているのです。
でもその間、インターネット上では物凄く盛り上がっていたそうです。

なぜか?

それは

「ワクワク感」

があったからです。

これは将棋のタイトル戦で1時間以上経っても
1手も進まないときの将棋ファンの心境に似ています。

1時間以上考えているということは、
その1手が勝負に大きく影響すると、棋士は捉えているわけです。

プロというのはアマチュアが1時間以上かけて考えることを10秒で考えます。
少なくとも私はそう思っています。

それほどのプロが、それもタイトル戦に出るほどのプロが1時間以上も考えている。
いったいどんな1手を指すのだろう?

それを考えるとワクワクしてくるのです。

中継動画はあとから見ることが出来るものもありますが、
そのときだけ、生中継のときだけというものもあります。
つまり、今しか見れないものもあるのです。

二度と味わえないライブ感がたまらなく楽しいのです。

好きなアーティストの場合も同じです。

コンサートの映像は、後日DVDで発売されることもあります。
でもコンサートのライブ感は、その日、その場所にいた人だけしか味わうことができません。

将棋の場合、実際にタイトル戦が行われている
場所に行くのは物理的にかなり難しいのですが、
インターネットを使うことでライブ感を味わうことは出来ます。

これはアーティストのコンサートをパソコンで
ライブ観戦しているのに近いものがありますね。

実際にアーティストのコンサートでは「ライブビューイング」といって、
映画館などを使ってコンサートをライブ観戦することも行われています。

もしかすると将来的には自宅のパソコンやスマホで
ライブ観戦できる日がやって来るのかもしれませんね。

そう考えると、実は

「将棋中継というのはエンタメ界の最先端を走っている」

のかもしれません。

将棋にもいろんな関わり方があります。

実際に将棋盤を前にして指すのもあり。
インターネットを使って指すのもあり。

そして将棋はほとんど指さないけれど、
アーティストのコンサートのように観戦して楽しむ

そういう楽しみ方もあるのです。

私は将棋のプロ棋士のみなさんを尊敬しています。

それはタイトル戦に出る出ないは関係ありません。
地元で天才と言われた少年が集まり、
その天才の中のほんの一部だけしかプロになれないからです。

私はプロの棋士のみなさんに敬意を払いつつ、
自分は弱いですが、渡辺明さんがおっしゃるように
無責任に将棋を楽しんでいきたいと思います。

将棋は文化であり、
将棋は頭脳の格闘技であり、

そして

「将棋は日本が世界に誇るエンターテイメント」

なのです。

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